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フルマラソン最大の難関「30kmの壁」とは?乗り越え方と私の体験談

denden@runweaves

「30kmの壁って本当にあるの?」 「最長20kmの練習で、フルマラソンは走れるの?」 「30km以降、どうやって乗り越えればいいの?」

フルマラソンを目指す多くのランナーが恐れる「30kmの壁」。

私も、マラソンにエントリーする前からこの言葉を耳にしていました。でも、正直なところ「そんなのあるのかなぁ」と半信半疑だったんです。

そして迎えた初マラソン・北海道マラソン。

30km地点まで順調だった私は、ブラスバンドの応援でテンションが上がり、ペースを上げてしまいます。その結果、35km地点で完全に力尽き、最後の7kmは地獄のような苦痛を味わうことに。

でも、なんとか完走できました。完走タイムは4時間57分。

今回は、私が実際に体験した「30kmの壁」について、包み隠さずお伝えします。

この記事を読めば、30kmの壁の正体と、どうやって乗り越えればいいのかが分かるはずです。

「30kmの壁」とは何か?

マラソン前の私の認識

マラソンにエントリーする前から、「30kmの壁」という言葉は知っていました。

YouTube動画やブログで、「30km以降が本当にきつい」「30kmの壁を乗り越えられるか不安」といった話を何度も見ていたんです。

でも、正直なところ、「そんなのあるのかなぁ」と半信半疑。

「みんなが言っているだけで、実際はそこまできつくないんじゃないか?」

そんな風に思っていました。


マラソンを経験して分かった「30kmの壁」の正体

北海道マラソンを完走して、「30kmの壁」は確かに存在すると実感しました。

30kmの壁とは: 「30km付近でガス欠の状態になってしまうこと」

メンタル的な問題ではなく、体力的な問題です。

人間の体は、フルマラソンを走るだけのエネルギーを蓄えていません。そのため、30km付近でエネルギーが尽きてしまい、体が動かなくなるんです。

これが「30kmの壁」の正体。


私の初マラソン:30km地点までの状態

順調なスタート

北海道マラソンは、夏の大会です。

スタートしてから30km地点までは、順調そのもの。

ペース:

  • 通常:6分30秒/km
  • 実際:6分40〜50秒/km

少しずつペースは落ちていたものの、許容範囲内でした。

体の状態:

  • 足の痛み:特になし
  • 呼吸:問題なし
  • 気分:良好

30km地点の達成感

30km地点に到着した時、「やっと30kmだ!」という達成感がありました。

なぜなら、ずっと自己最長記録だったから。

練習で走った最長距離は20kmでしたから、30kmまで走れたことで、「もうゴールまで行けるんじゃないか」と思ったんです。

「30kmの壁を超えた!」

そう思った瞬間、気持ちが緩んだのかもしれません。


30kmでの失敗:ラストスパート

ブラスバンドの応援でテンションが上がった

30km付近を走っていた時、ブラスバンドの応援がありました。

そして、知っている曲がかかったんです。

その瞬間、テンションが上がりました。

「もう30kmも来たし、あと12kmだ!ラストスパートだ!」

そう思って、ペースを6分/kmまで上げて走りました。


35km地点で完全に力尽きた

ところが、35km地点で突然、体が動かなくなりました。完全に力尽きたんです。

自分が調子に乗ってペースを上げてしまったせいで、まさに「30kmの壁」を感じる結果になってしまいました。

足のどこが痛いというわけではないんですが、足全体が棒のようになっていて、「もう動きません」という感覚がものすごかった。地面を蹴る力が全く入らない。前に進もうとしても、足がついてこないんです。

補給食を食べても、歩いても、うんともすんとも効かない状態。エネルギーゼリーを摂取しても、何も変化はありません。給水をしても、体が回復する感じは全くない。

これが「30kmの壁」なんだ。

体力が尽きてしまうという現象を、身をもって体験した瞬間でした。


35km〜ゴールまでの地獄の7km

歩く→ゆっくり走る→歩くの繰り返し

35km以降は、気力だけで走っていました。

ペース: キロ8分以下(通常の6分30秒から大幅に低下)

歩きたくなりましたが、怪我をしている感じはなかったので、気合で走り続けました。 いや、「走る」というより「足を前に出し続けた」という表現の方が正しいかもしれません。

状態:

  • 足が棒のようで、まともに動かない
  • 補給食も給水も効果なし
  • ゴールすることしか考えられない
  • 無心になるように心がけた

沿道の応援が力になった

そんな地獄のような状態でも、沿道の応援がとても力になりました。

知らない人が、ヘロヘロのおじさん(私のことです)にも声援をかけてくれるんです。

「頑張って!」「あと少しだよ!」

その言葉が、前に進む力に変わりました。人の温かさを感じた瞬間です。


ゴールした瞬間の気持ち

ゴールした瞬間、ラスト7kmの苦痛から解放されました。

そして、初フルマラソン完走の達成感で、感極まって少し涙が出ました。

完走タイム:4時間57分

1年間頑張ったからこそ、達成できたゴール。

大人になって、長期間1つの目標に向かったことって少ないと思います。 だからこそ、この達成感は何物にも代えがたいものでした。


最長20kmの練習で足りたのか?

20km練習で十分だった

私の練習で走った最長距離は20kmでした。

「30km走をしておけば良かったのでは?」と思う人もいるかもしれません。

でも、私は練習は20km程度で十分だと思っています。


なぜ20kmで十分なのか

理由:

  1. それ以上長い距離を走ると、回復に時間がかかる
  2. 普段の練習は長くても10kmくらいで十分
  3. コンスタントに走ることが重要

30km走を練習でやると、その後の回復に1週間以上かかってしまいます。その間、走れなくなってしまうと、逆に体力が落ちてしまうんです。

それよりも、10km前後を週に数回、コンスタントに走る方が効果的だと感じています。


補給・給水について

私の補給戦略

マラソン当日、私は以下のような補給・給水を行いました:

給水: ほぼすべての給水ポイントで摂取し、1〜2杯は飲んでいます。

補給食: ほぼすべての給水ポイントで摂取(バナナなど)。

エネルギーゼリー: 1時間おきに摂取していました。


補給のタイミングは重要

振り返ってみると、エネルギーゼリーを1時間おきに摂取したのは、少し間隔が長すぎたかもしれません。

よく言われているのは、「10kmまたは1時間の早い方」で補給するという戦略。

これをベースにして、自分に合ったタイミングで摂取するなど、試行錯誤が必要だと感じています。


給水のコツ

北海道マラソンのような大きな大会は、給水ポイントがかなり長いです。

コツ:

  • 給水ポイントの最初ではなく、少し進んだところで取ると取りやすい
  • 給水のために進行方向を変えるときは、手を挙げると後ろのランナーに教えられる

私は止まって飲んだので、給水を取り損ねたことはありませんでした。


30kmの壁を避けるべきか?

30kmの壁も良い経験

マラソンを経験して、私は思いました。

「30kmの壁は、避けるべき壁ではない」

むしろ、それも良い経験だと思うんです。

初マラソンで30kmの壁を体験したことで、「次はどうすれば乗り越えられるか」を考えるきっかけになりました。


大切なのは、完走すること

北海道マラソンは暑い大会なので、お祭りのような雰囲気でした。

そういう大会では、タイムよりも「完走すること」「楽しむこと」が大切だと思います。

実際に**自己ベストを狙うなら、一定のペースで走ることが大事。**でも、初マラソンでは、まず完走することを目標にしましょう。


次回マラソンに向けて:反省点

反省点1:30kmでラストスパートしたこと

30kmでテンションが上がってラストスパートしたことは、明らかに失敗でした。

30kmを超えた=ゴールではない。

むしろ、30km以降が本当の勝負なんです。


反省点2:人が多くて体力ロス

北海道マラソンは、ボリュームゾーンのタイム(4時間台〜5時間台)のランナーが多い大会です。

そのため、人が多く、よけたりするのに左右に移動しているので、その分の体力ロスがありました。

次回は、もう少し早いペースで走るか、スタート位置を前にするなど、工夫したいと思っています。


次回への目標

次回マラソンに出るなら:

  • 一定のペースで走る
  • 30km以降もペースを守る
  • 補給のタイミングを見直す

これらを意識して、30km以降をもっと楽に走りたいですね。


初心者へのアドバイス

1. 30kmの壁は「体力的な問題」

30kmの壁は、メンタルの問題ではなく、体力的な問題です。

人間の体は、フルマラソンを走るだけのエネルギーを蓄えていません。

そのため、補給食やエネルギーゼリーを摂取する必要があります。

補給の重要性について、事前に詳しく学んでおくことをおすすめします。


2. 最長20kmの練習で大丈夫

「30km走をしないと不安」と思う人もいるかもしれませんが、最長20kmの練習で十分です。

それよりも、コンスタントに走ることが重要。


3. 30kmの壁を恐れない

30kmの壁は、避けるべきものではありません。

それも良い経験。

初マラソンでは、まず完走することを目標にしましょう。30kmの壁を経験したからこそ、次のマラソンでどう改善すればいいかが分かります。


4. 一定のペースで走る

テンションが上がっても、ペースを上げないこと。

30kmを超えても、まだ12km以上残っています。最後までペースを守ることが、完走への近道です。


5. 補給のタイミングを計画する

補給食やエネルギーゼリーを、いつ、どのタイミングで摂取するかを事前に計画しておきましょう。

「10kmまたは1時間の早い方」という戦略をベースに、自分に合ったタイミングを見つけてください。


まとめ:30kmの壁は乗り越えられる

私は、30kmでラストスパートをしてしまい、35km以降は地獄のような苦痛を味わいました。

でも、完走できました。

30kmの壁は確かに存在します。でも、それは乗り越えられる壁なんです。

大切なのは:

  • 補給をしっかり摂ること
  • ペースを守ること
  • 無理をしないこと
  • 沿道の応援を力に変えること

そして何より、「完走する」という強い気持ち。

初マラソンで30kmの壁を経験したからこそ、次はどうすればいいかが分かります。

あなたも、30kmの壁を恐れず、初マラソンに挑戦してみてください。

完走した時の達成感は、何物にも代えがたいものです。


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あなたの30kmの壁体験も聞かせてください 初マラソンで30kmの壁を経験しましたか?どうやって乗り越えましたか?ぜひコメント欄で教えてください。一緒に学び合いましょう!

ABOUT ME
DENDEN
DENDEN
会社員
45歳、10年以上運動ゼロだった私に、2024年夏、マラソンの神様が舞い降りました。2025年の北海道マラソン完走を目指しています。 走り始めては体の不調やケガに悩まされる日々でしたが、その度に自分の「体と心の声」に耳を傾け、乗り越える術を学んできました。 このブログでは、私の失敗や試行錯誤の経験を通じて得たリアルな学びを発信し、「また走りたい」「フルマラソンを叶えたい」と願うあなたの一歩を、心から応援します。
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